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Channel: しょぼい日々の面白み
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映画「ホコリと幻想」舞台挨拶付先行上映【ネタバレなし感想もあり】

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高校卒業以来の帰郷で旭川の地を踏む松野は、同級生たちとグラスを傾けていた。
その中には元カノで今では人妻となった美樹もいた。
東京でアーティストとして活躍してきたと自称する松野は市が募集する木工モニュメント製作のチラシを目にし、
同級生たちに「これこそ自分のための企画だ」とぶちまけ、
同級生だけでなく市をも巻き込んだモニュメント作りに没頭していく。
不思議なことに、この時間がずっと続けばイイと思った。これが永遠に続けばイイと思った。

しかし何も進まない。
同級生たちの間で「松野は本当にアーティストなのか?」という疑問が頭をもたげる。 
相変わらず時間だけが過ぎていき、次第に追い詰められていく松野。
高校時代ならば行き詰った時はいつも美樹が後ろから押してくれた。でも今は・・・。
松野はもう一度自分を取り戻すために改めてモニュメント製作と向い合う。
(映画「ホコリと幻想」公式サイトhttp://www.is-field.com/hoko-gen/index.htmlより)


9/26(土)公開の、映画「ホコリと幻想」北海道先行上映&公開初日舞台挨拶@ディノスシネマズ札幌劇場に行ってきました。
我らが(?)TEAM NACSの戸次重幸主演作品!(結婚おめでとう!)
オール旭川ロケということで旭川と札幌は公式公開日より2週間早く上映開始。
とはいえ今のところ上映が決まっている映画館も少なく実質この日が公開初日だったような。(完全な単館系作品です)
スクリーンが小さくて(100席ちょっと?)、入った瞬間この近さでシゲが見られるのか!とテンションUP。
札幌は映画鑑賞→舞台挨拶の流れでしたが、まずは舞台挨拶の感想から。

■舞台挨拶
作品上映が終わってテレビカメラやマスコミスタッフがわらわらと入ってきて。
カメラは4,5台(私が確認できたのはHTBとTvhでしたがたぶん全部のローカル局が入ってたと思う)。
狭い会場なので通路も狭くて、そこにいっぺんに人や機材入ってきたものだからぎゅうぎゅうになったところで舞台挨拶スタート。

左側から鈴木監督と戸次重幸のふたりが登場。
ダークスーツのシゲ、しゅっとしててかっこいい!生で見るとほんと顔ちっちゃいね!……てか近っ!狭いハコだから6列目でも近っ!!
主人公松野が作品中で持ち歩いているスーツケースのハリボテ(笑)をひきずって。
この日札幌の前に行われた旭川での舞台挨拶で映画館のスタッフがつくってくれたものなのだそう。
暑かったのかなあ、やたらジャケットからハンカチを取り出して汗をぬぐってた(爆)。

撮影のエピソードなどをひととおり聞き(ネタバレになるのでここでは伏せます)、マスコミのフォトセッション。
とここで小さなアクシデントが。
会場の狭さゆえステージ前から撮影すると距離が近すぎてNGとなり、急遽通路から撮影することに。
そうなると斜めからの撮影になるので、ポスターの角度を替えなきゃいけないのですが

「あ、僕やりますよ」

と、主演自ら動く(爆)。
監督と一緒にポスターを下して角度を変えて、左側通路からの撮影が終了し右側通路からの撮影のときはポスターを逆向きに。
超手際よく(笑)。ああシゲだなあ(笑)。
撮影中はMCから、うまく笑えなくなってるシゲに「戸次さん笑顔が減ってますよー」などのツッコミが。
このMCの方、面白くてうまかったんですよねー。
監督かシゲか手をふるのに疲れたのか振り方が弱くなってるとすかさず「手のフリが落ちてますよー」とか、あと

シゲ「ここ(=今マスコミがカメラ回してるところ)ナレーションですよね?」
MC「(アドリブでWSぽいナレーションをつける)」
観客「(笑)」
シゲ「(笑)」

とか。フォトセッションって観客は蚊帳の外になることが多いと思うんですが、MCの方の機転でこちら側も見ていて楽しめました。
無事フォトセッションが終了し、最後の挨拶が監督から、そしてシゲ。


「感想を広めるまでが映画です!帰るまでが遠足なのと同じです!」


……戸次重幸の名言キタコレ。
仰せのとおりツイッターで作品の感想をつぶやきましたがあんな感じでよかったでしょうかシゲ様。
これで舞台挨拶は終了、監督とシゲが退場というところで、会場の男性から「結婚おめでとう!」の大きな声が。
(挨拶ではシゲの結婚の話は一切出なかった)
その声がきっかけとなって会場中から「おめでとう!」「おめでとう!」。
シゲは超にこやかに左手を挙げて(ありがとうってことかな)、扉の中に消えてゆきました。
いい笑顔だったなー、たぶん挨拶でいちばんいい笑顔だったんじゃなかろうか(爆)。末永くお幸せに!!


■映画の感想
北海道の地方都市・旭川を舞台に、東京で夢破れて帰ってきた主人公の松野の破壊を再生を見守るストーリー。
この松野が、自意識過剰で現実を見てなくて情緒不安定で(躁鬱気味かと思うほど)。
見ていて本当に痛々しくって。
松野についていけるかどうかがこの作品を面白いと思うかどうかの鍵という気がします。
戸次重幸がさ、その痛々しさの表現が上手いんだよ。
前半のヘンなハイテンションもだし、後半台詞が少なくなるんだけど、表情の演技も見入っちゃったもん。
松野に限らず全般的に表情の演技が多く、役者陣が素晴らしくそれを全うしていて、演技部分は見ていてノーストレスでした。

それと、松野を取り巻く友情も描かれるんですが、地方都市ならでは感があって「あーわかるな」と思いながら見てました。
東京から戻ってきた友達の言葉を最初は無条件で信じちゃうところとか。
都会より近所とのつきあいが濃いところとか。(だけどもっと田舎ほどではない)
松野の昔からの友達で、松野の元カノと結婚して実家のラーメン屋をついでる役の、遠藤要さんが超いい味出してる!
この人いろんな作品で見かけるけど本当にうまいよなあと。
松野のいちばんの味方で、背負ってるものもたくさんあるんだけど言葉には出さず、最後まで松野を見守り続ける。
一定の距離を保ちながら。……私、見ながらこういう人と結婚したいと思っちゃいました。
あと不思議な空気をまとってる元カノ役の美波さんの存在感がいいアクセントになってましたね。

旭川の景色が随所に挟み込まれてるんですけども、雪山に囲まれた都市の画がいろんなことを象徴しているようでもあり。
こういう閉鎖的なところが松野はイヤだったんだろうなとか。
街中は建物がたくさんあって、だけどちょっと走ると完全な田舎道になる。
この旭川の景色の使い方が好きでした。
ただ編集は違和感をおぼえる場面もいくつかあって。ここで切るの?とか。これは好みにもよるかもしれないですが。
最後のほう、松野の友達4人のシーンのCGは予算が足りなかったのかな(笑)。(見たらこれか!とすぐにわかると思います)
テンポはよかったです。途中台詞が少ないシーンも役者の力で飽きさせないです。
完全な単館系作品なのでそういうのがお好きな方はぜひ!

そうそう、最初から最後までシゲのビジュアルは文句なくかっこいい!(またシュッとしたスタイルが生かされる衣装で)
とくに中盤は退廃的な色っぽさ満載!
なので戸次重幸ファンには目の保養としての鑑賞もおすすめします(笑)。


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