※先に「作品」レビューの基本方針を必ずお読みください。
※あくまで私の主観にもとづくものです。またべた褒めはしませんのでご注意ください。
面白かったーーー!!「赤めだか」!!!!!
昨日の記事でもちょこっと言ったけど、SPドラマでこんなに面白く見たのは本当にひさしぶりかも。
仕事があるから11時には寝たいところだったんだけど見始めたらやめられず。
話が面白い!登場人物全員魅力的!無駄なシーンがなくテンポよく進んでカメラワークも凝ってて見ていて目が離せない!
気づけば全部見てしまってました。(翌日やや寝不足で仕事に。ザ・自業自得)
17歳の時に故・立川談志のもとに弟子入りした立川談春の、紆余曲折を経て落語家への道を進む青春物語。
原作を読んでいないのでどんな話か見るまで全く想像ついてなかったんだけど。
冒頭の弟子入りを志願したときのエプロンしてカレーつくってる立川談志(ビートたけし)が強烈(笑)。
まず、この破天荒な立川談志をたけしさんがすっごく魅力的に演じててさー。
わけわかんない!ありえない!あれ優しい?いや理不尽!周りはいつも振り回される。
けれど時々発するものすごく説得力のある言葉に談春がハッとなる。
自分から頭を下げるなと言いながら弟子の二つ目昇進お披露目会で弟子のために頭を下げたところなんて憎すぎるぜ!
だからこそ、ヒール役の評論家(リリー・フランキー)のイヤさが引き立つ引き立つ(笑)。
また上手いんだよ、ねちっこいイヤーな空気を出すの。このドラマ見てるとき本気でリリー嫌いになったもん(そういう役です)。
そういや、ところどころで入ってくる、弟子たちの談志のモノマネ。
あれたぶんわざと談志を演じてる「ビートたけし」のモノマネにも寄せてるんだよね?(笑)
演者本人を役に混ぜ込んでる。
「ビートたけし」自身が(名前だけだけど)この作品に登場するからこそ生きる、遊び心あふれる楽しい演出で好き!
そして談春。談春てさ、あの濃い面々(笑)のなかでは「ふつう」で。
(よく考えると17歳で高校辞めて落語家の弟子になろうと思う時点で「ふつう」じゃないんだけど、消去法 笑)
その「ふつう」さが丁寧に描かれててよかったなー。
ニノミヤがそこの「ふつう」さをうまく演じてた!
親とありふれた喧嘩して(お父さん寺島進、お母さん岸本加代子もとってもよかった!)。談志の破天荒さにびっくりして。
築地に出されたときは心の中半グレで拗ねて、後輩に抜かされそうになったら焦って負けず嫌いさが顔を出して。
だけどいろんな経験を経てだんだんと成長していく。
ちょっとお調子者なところと後先をあまり考えないところはそのままに。
ニノミヤ談春、よかったです。
それにしても、まさか中学生までやるとは思わなかった……そろそろ10代の役は終わりかな(笑)。
談春を取り巻く若者の群像劇もよかったなあ。
最初は段々(北村有起哉)、関西(宮川大輔)、ダンボール(新井浩文)が談志の弟子で、そこに談春が入る。
みんなキャラが濃い(笑)。ほんと談春がいちばんふつう(笑)。
新井さんはカメレオン俳優だよなー。いつも思う。存在感あるけど主役を殺さない名脇役。すげーや。
ダンボールが辞めて談春が築地に修行に出ているときに志らく(濱田岳)が入ってきて、談春が築地から戻ってきて。
そこからの4人の空気感がとっても好きでした。
青春だよねえ。年齢も境遇もバラバラだけど同じ夢をもってる、そこで結びついてる絆。
無事全員二ツ目に上がったとき、自分の持ってるポチ袋を取り立て屋に追われてる段々に渡すのとかさ。
その取り立て屋が実は落語好きで段々が二ツ目にあがったらサインを貰ってお披露目会にも来てたのに笑った(笑)。
兄弟子の志の輔(香川照之)もいいキャラだったー。
いい具合に力の抜けた頭のいいアニキ。この人がいたから談春は落語を続けられたのかもしれないなあと。
落語は、全員「前座」の落語がうまかった!ここはすごーく話に説得力をもたせるのに大事だったと思う。
そのなかでも濱田岳くんの志らくが飛びぬけてうまく感じられてさ。
きちんと「ああだから師匠に早々に目をかけてもらえたんだな、談春より早く真打になったんだな」って思えたのがすごい。
つーか岳くん落語本当に上手だった……真打になってからの落語ほんとに上手だったよ!!
ニノミヤ談春の真打になってからの落語のシーンは、個人的には音声をなくしての編集でもよかったかも、とも。
あと、小ネタがちょこちょこ入ってるのも楽しかったー。
たけし軍団のダンカンのダンは談志の談だったとは!「立川談かん」だったって初めて知ったよ!(これ小ネタじゃないか)
柄本祐くんいい味だしてたなあ。祐くんの演技大好き。
宅配便のお兄さんとしてダンカンさん本人が出ていたのも面白かった(笑)。
春風亭昇太さん・春風亭小朝さん・三遊亭円楽さん・中村勘九郎さんがみなさん先代の役をやっているのも素敵。
羊羹を1本まんま片手に持ってくしゃみしてる円楽師匠(笑)。先代が本当に羊羹が大好きだったというエピソードが盛り込まれてる。
細かいところだけどBGMのチョイスにもぐっときました。
邦楽だとブルーハーツだったりRCサクセションだったり、あの時代の絶妙なところをもってきてて、ドラマに合ってて。
遊び心がたくさんで凝ってて、でもそこに嘘がない。だから説得力があって見ていていっそう楽しい、面白い。
そうそう、薬師丸ひろ子さんのナレーションもすっごく雰囲気がよくてよかった!
今年最後に見ることができたニノミヤの演技仕事が「赤めだか」で本当によかったです。
時間があるときにまたゆっくり見直したいなって思ってます。
↧
SPドラマ「赤めだか」【ネタバレあり感想】
↧