小さな手でトロフィーをぎゅっと握りしめて。
頬を軽く紅潮させて。
目にうっすらと涙を浮かべて本当に嬉しそうな顔でステージに立つ。
こんなニノミヤの姿を見られる日が来るとは思ってなかったよ。
去年、岡田くんがジャニーズ初の日本アカデミー賞受賞という道を切り拓いて。
(そのときの記事は「日本アカデミー賞!2015」に書きました)
ニノミヤもあれをお酒を飲みながらオンタイムで見ていたんだね。
「(岡田くんの受賞を見ているうちに)悔しくて」
「俺も(この賞を)欲しいなって」
……もしかしたら、ずっと思っていたのかもしれない。
小さなくすぶりはあったのかもしれない。
けれどそんなそぶりはつゆほども見せてこなかった。
決して口にすることはなかった。
自分自身の奥底にしまって忘れることにしたのかもしれないな。
“アイドル”だから。“嵐”だから。
ニノミヤが演技仕事にかけていた呪縛みたいなもの。
いや本人に言ったら(そんな機会ないけど)絶対に「呪縛なんかじゃない」って言うだろうけど(笑)。
でもなんか長い間不自然だった気がするんだよね。
だってアナタ誰がどう見ても演技仕事がいちばん似合っていた(る)じゃない。
だけど「そんなことない」って言い張ってたように見えた。
それが、……だんだんとほどけてきて。
「GANTZ」で役者についての照れはなくなったと言い切った。
「暗殺教室」でそれまでこだわってきた(ように見えた)“エンタメ”のひとつのピースになった。
(前に「きっとこれがひとつのきっかけ~二宮和也の「殺せんせー」」でうっとうしく語りました)
そして先輩の背中を見て。貴重な現場を経験できて。
うん、1本の糸がニノミヤをあの場所に連れて行ったんだ。たぶん。
「硫黄島からの手紙」に出たあとのニノミヤは、海外からきたオファーはすべて断った。
俳優仕事としてはおそらく貴重なチャンスがたくさんだっただろうにさ。
自分が不在になることで嵐に迷惑をかけたくなかった。
嵐にいたかった。いちばんは嵐。
うん、きっと今でももちろんニノミヤの中でのいちばんは嵐だろうけど。……でもね。
もしも、ほんとにもしもだけど、今のニノミヤに海外からのオファーがきたら。
なんかさ、ひょいっと受けるんじゃないかなって気もするんだ。
例えしばらくレギュラーを休んでも、嵐は紛れもなくニノミヤの帰る場所。
今のニノミヤならちゃんとそう思える気がするんだ。
みんなでニノミヤの帰りを待って、ただいま!の声とお土産話を聞く。
そして素敵な作品を楽しむ。
これらが嵐というグループにきちんと還元されることを、今のニノミヤならわかってるような気がするんだ。
まあもちろん万が一のもしかしたらの話なんだけどね。
あのステージの上での言葉を引きだしたのは、きっと先輩岡田くんの姿で。
あのステージの上での気持ちを引っ張っていったのは、きっと山田組との出会いと経験。
きっとそれは、さらなるきっかけ。
これからの二宮和也が、もっともっと飛び出していくための、さらなるきっかけ。だといいな。
あらためて、日本アカデミー賞最優秀主演男優賞受賞おめでとう、ニノミヤ。
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きっとそれはさらなるきっかけ~二宮和也と岡田くんと山田組と
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