黒川博行の第151回直木賞受賞作「破門」を佐々木蔵之介と横山裕(関ジャニ∞)のダブル主演で映画化したハードボイルドアクション。
映画プロデューサーの小清水が持ち込んだ映画企画に、二蝶会の若頭が出資をすることとなったが、小清水は映画製作の金を持ったまま行方をくらましてしまった。
二蝶会の強面ヤクザ桑原は経営コンサルタントの二宮を巻き込み、資金回収のために奔走。桑原は邪魔をするゴロツキ2人を病院送りにする。
しかし、その相手はなんと本家筋の構成員。これが原因で組同士の揉め事へと発展し、追う立場だった桑原と二宮がいつしか追われる側になってしまう。
桑原&二宮コンビを演じる佐々木、横山は、ともに関西出身。大阪を舞台にリアルな関西弁による掛け合いを見せる。
監督は黒川原作によるテレビドラマ「煙霞 Gold Rush」も手がけた、「毎日かあさん」「マエストロ!」の小林聖太郎。
(「映画.com」より)
原作既読(疫病神シリーズ全部読了)。ものすごく楽しみにしてたんですよ。
期待は裏切られなかった!面白かったーーー!
まずなんといっても
桑原が!佐々木蔵之介が!超かっこいい!!!!!
外見はザ・ヤクザ。ただがらっぱちじゃなくてスタイリッシュで品がよくて(ヤクザにしては)、所謂「インテリヤクザ」的な風貌。
中身もザ・ヤクザ。短気で手が出るのが速くて火がついたらすぐに暴力沙汰で喧嘩が強い。
けれど実は頭の回転が速くて人を見る目も的確で、冷静でしたたかなところもあり。
それでいて子どもみたいなところもあって、とにかく魅力的なんだ桑原。
「おまえわしのこと好きじゃないんか」
って二宮にすらっと言っちゃうところなんか、くうっ素直でかわいいやないかい!なにそのギャップ!!
また行動が自分の正義に基づいていて。そこがまたかっこいんだよね。
(半)カタギの二宮をがっつりめちゃくちゃに巻き込んでおきながら、本当に二宮があぶないときはちゃんと逃がしたり。
ふだん自分のことしか考えてないように見えるからここがクる。(この人モテるよね間違いなく)
で、そんな桑原の魅力をうまく引き立てているのが「グータラビンボー」の建設コンサルタント・二宮。
お金と女は好きだけど、ものっそい面倒くさがり。だから自分からがつがついくことはしない。(ゆえに貧乏)
けれど貰えるときには貰いたい。そういうときは意地汚い(笑)。
あと基本いろんなことが他人事で、とぼけてて。
それでいて自分の気持ちにはとっても素直。ちゃっかりしてるのも素直だから。
そして意外と情に厚い部分もある。
そういう二宮だから、けっこうどうしようもないのに(笑)、周りから可愛がられる、愛されるんだろうなあと。
母親(いいオカン)、嶋田(渋い!素敵!)、ユキ(勝気でかわいい)、……そして桑原。
桑原は二宮大好きよね(笑)。
このふたりのコンビほんといい。息がぴったりすぎない、基本仲良くない(笑)ところも含めてくすっと笑える。
ジャンルとしては完全な「バディもの」ですねこの作品。
あと小清水がよかった!やってることは完全な悪党だけど、人間味のある悪党(笑)。なんか憎めない(笑)。
橋爪功さんのキャスティングが素晴らしいっす。
ほかのキャスティングもみんなぴったりで、「え?」ってなることがまったくなくてそこもよかった。
北川景子ちゃんのユキもハマってたなー。もし続編があったらもう少しユキの登場が多いといいな。二宮との絡みがもっとみたい。
原作からけっこう大胆ににストーリーを変えてる場所もあるんですが、繋げ方がうまいなあと思いました。
二宮がマカオから小清水を連れて逃げるのなんかは、原作でやったら二宮たぶん半殺しにされると思うけど(笑)。
そもそも、そうさせるような隙を二宮に与えないだろうしね。
映画の桑原は、原作よりもう少し子どもぽい(カジノに夢中になって逃げられるなんて原作ではありえない!)。
私はどっちの桑原も好きです。
この作品のいちばんの魅力は、登場人物がみんなちゃんと「生きて」ることだと思ったな。嘘くさくない。
(全員大阪弁がしっくりきてやりとりがリアルなのも寄与してるのかなあと)
だからこそ桑原と二宮のバディ感が活きる。
このふたりの関係性が大好きだ!
「探偵はBARにいる」といい、私、凸凹バディものが大好きなんですよねー。
これ続編が見たい。可能であればシリーズ化してほしいなあ。あのふたりの凸凹バディがまた見たいよ!!
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